ますが、投資詐欺のほとんどが「ポンジ・スキーム」と言われる手法で被害にあっています。ポンジ・スキームは天才詐欺師といわれたアメリカ人、「チャールズ・ポンジ」がその名の由来です。タネを知ってしまえば、その手法自体はとてもシンプルなものですが予備知識がないと、まるでよくできたマジックに騙されるかのようにひかかってしまいやすい詐欺です。今回はポンジスキームについて解説していきたいと思います。
ポンジ・スキームって結構有名な詐欺なのか?
そうですね、昔からあってかなり有名な詐欺ですよ
でもさ、そんな昔からあって有名な詐欺なら騙される奴も少ないんじゃないのか?
ところが、そうでもないのです 今回はポンジ・スキームについて解説していきます
ポンジ・スキームのしくみ
ポンジ・スキームは出資者から資金を募り「資金を運用し、その利益を出資者に配当金などとして還元する」などと言っておきながら実際には資金運用を行わず、後から参加する出資者から新たに集めたお金を以前からの出資者に配当金などと偽って渡すことで、あたかも資金運用によって利益が生まれその利益を出資者に配当しているかのように装うことです。
例えば、「出資してもらえば、毎月1回、出資してもらった金額の3%の金額を配当金としてお渡しします」と詐欺師が持ちかけてきます。出資者も半身半疑で少額を融資するのですが、毎月出資金の3%の配当金がきっちりと支払いされます。(実際は詐欺師は資金の運用などせずに、集めた出資金から出資者へ配当金を配っているだけですが)
これに味をしめた出資者が出資額をどんどん大きくしていってしまいます。そして出資者から話を聞きつけた出資者の知人も出資するようになります。
口コミで噂が広がり、噂が噂を呼び、出資する人間がどんどん集まってきます。出資する人間が増えるに従い、集まる資金もどんどん増えていきます、そしてある程度の大きな資金(詐欺師の目標資金)が集まった時点で、詐欺師は出資者達のまえから跡形もなく消えていなくなってしまうわけです。
利子を還元するのが数か月単位だったり、有名人が絡んでいたり、出資する最低金額が決まっていたりといろいろなパターンはあるのですが、要は「お金を渡してくれたら、何%か配当金としてお渡ししますよ」って話です。かなり昔からある詐欺の典型的な手法なのですが、時代によって形を変え、被害があとを絶たず今なお存在している詐欺です。
最近では暗号資産を使った ポンジ・スキーム の被害が多いようです。ビットコインなどの暗号資産は価格が高騰した為に、「暗号資産を使えばお金持ちになれます」「ビットコインを利用した運用で高い利益を約束する」などと持ち掛け、ビットコインを買わせたり、詐欺コインを買わせたりします。
最初のうちはきちんと配当金が振り込まられるので、出資者は信じ切ってしまい出資額をどんどん増やし、知りあいを勧誘したりします。ですが結果的には詐欺師は出資金を持ち逃げしてしまうので、出資者は大金を失ってしまうことになります。
この詐欺のたちの悪いところは、知人などが勧誘してくるところです。勧誘してくる知人はお金が儲かると信じ切っているわけで、まったくの善意なわけです。知人の勧誘者が実際に出資してお金を得ており、心からの善意で出資を勧めてくるので、安心感もあり、「それならば少しやってみるか」と被害者が増えていきます。
う~ん、確かに信頼している友達とかから「絶対もうかるから」って言われたらちょっとお金出しちゃうかもな…
基本的に儲け話は存在しないと考えておいた方がいいですよ
ポンジスキームの見破り方、詐欺に騙されない為の「相場感」の話
みなさんは、街中でグッチのバックが3千円で売っていたら安いと言って買うでしょうか? おそらく大半の人は購入しないはずです。なぜなら3千円のグッチのバックは、偽物の可能性が極めて高いからです。
でも、 私たちは3千円のグッチのバックがどうして偽物だというかわかるのでしょうか? これは、グッチのバックに対する「相場感」が自然と私たちに備わっているからです。
「グッチのバックの正確な値段はわからないけど、3千円で買えるわけがない」そう思う人が大半ではないでしょうか?じつはこの「相場感」が投資詐欺に騙されないためにとても大切なのです。
ある会社に「私たちに100万円以上預けて頂ければ、年利20%の利益を必ずお約束します」と言われたら、投資をやっている人であれば、すぐに詐欺だとわかるはずです。
銀行に預けても年利は良くても0.2%程度、投資で利益を得るにしてもせいぜい年利5%~8%くらいを目標とするのが妥当な数字と言えるでしょう。それももちろん確実に狙える数字ではありませんので、無条件で年利20%を毎年確約することなんてまず無理です。
投資に相場感のある人なら、そんな話には騙されませんが、相場感のない人からすると、年利20%と言われても、「何か運用の秘訣があってそれくらい可能なのかも」と考えたりしてしまいます。
相場感があれば、「なんかおかしい」と気づくことができるので、ポンジ・スキアームや投資の話で騙されたくなければ、投資の相場感をもっておくことがとても大事です。
そもそも世の中には儲け話なんて存在しません(あっても一般市民のところには回ってきません)ので、相手が知り合いであろとなかろうと儲け話を持ち掛けられたら、まずそんな話は疑ってかかった方が無難です。
世の中にうまい話はないってわけだな
儲けられることがあるとすれば、それは自分自身でリスクを背負って何かを行動したときです。
ポンジスキームに引っ掛かってしまったときの対処法
ポンジ・スキームだと気づき、相手が詐欺師だとわかったら、その時点でとにかく相手に「全額返せ」と騒ぐことです。詐欺師は一定の資金額(目標資金)が貯まるまで、とにかく騒がれたくありませんので、うるさく返金を催促すれば、返金してくる可能性はあります。
騒がれて計画が頓挫するくらいなら、うるさい人には全額返して消えてもらい、自分を信じきっている人たちからもっとお金を巻き上げたほうが詐欺師にとっても特になるからです。
ポンジ・スキームに引っ掛かってしまった場合は、とにかく相手が逃げるまでにお金を返すように粘り強く言いましょう。逃げられてあとに捕まえても、おそらくお金を取り戻すのは難しいです。
「投資で増やそうと思ったが、失敗して資金を使い切ってしまった」と言われてしまうとどうにもならないからです。知人、友人が毎月高い配当金をもらえる儲け話があると言い出したら、詐欺師が逃げ出す前に注意してあげましょう。
もし知り合いが引っ掛かってしまったら、俺が大騒ぎしてやるぜ
やっちゃってください
まとめ
<まとめ>
・「お金を渡してくれたら、儲けさせますよ」という話はだいたいポンジ・スキーム
・最近では暗号資産を使った ポンジ・スキーム の被害が多い
・ポンジ・スキームや投資の話で騙されたくなければ、投資の相場感をもっておくことがとても大事
・そもそも世の中には儲け話なんて存在しない
・ポンジ・スキームだと気づいたら、その時点でとにかく相手に「全額返せ」と騒ぐ